サタンに恋して

ぼくが憧れている日本人フォトグラファーの中川十内さんが、東京の街をさまよいながら撮った写真を見たとき、プランクスの絵と合わせたらどんなに面白いだろうとプロデューサーのK氏に話したのがきっかけで、彼らのコラボレーション作品「111の白昼夢」が生まれた。でも、それだけじゃ終わらなかった。

K氏から「111枚のイメージにキャプションをつけてくれないか。自由に空想するまま書いて欲しいと彼らも言っている」とメールが届いたのだ。これには遊び心をくすぐられた。それで、作品番号順に111本のキャプションを書いていって、それがひと続きのストーリーになるようにしてみようと思った。挿絵が先にあってストーリーが後から出来る小説というわけだ。

マーガレットボーイ

作家プロフィール

中川十内
なかがわじゅうない

1948年東京生まれ。商業カメラマンとして類いないアートセンスを発揮し、ファッション雑誌の寵児となる。その後も多くのメディアで活躍しながら、かたわら、ライフワークとして都会を彷徨い、好奇心のままにシャッターを押し続けている。2010年、インドのビハール州で開催された第1回WAF(WallArtFestival)にオフィシャルカメラマンとして参加。壁画作品やアートワークショップを撮影しながら、村で人々が力強く生きる様に心打たれ、家族の肖像を撮影、新しい境地をひらいた。また、異分野とのコラボレーションワークにも積極的で、実験的な作品も多く発表している。

The Pranks
ザ・プランクス

絵画を中心に様々なコラボレーションを展開するアートユニット。まるで無意識下で描かれたかのような、自由奔放な作風の絵画はすでに数千点を超える。彼らの絵には見るものに「物語」を想像させる力があり、多様なジャンルの作り手たちが共創する機会を誘発している。なお、プロフィールの詳細は明らかにされていない。

Margaretboy
マーガレットボーイ

ザ・プランクスに参加する作家。『サタンに恋して』(原題 IN LOVE WITH SATAN)は2021年作品で、中川十内とプランクスがコラボレーションで作った画像111枚を制作順に並べ、一枚ずつすべてにキャプションを付けるように執筆していき、ひとつながりの小説に仕立てている。

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